雨が降り始めると、枯葉が先を急ぐように散り始める。
「枯葉」といえばシャンソン。シャルル・アズナブールやイヴ・モンタンが有名でしたね。
私は金子由香里さんが好きでした。
最近はどうなさっているのでしょう?
あれほどの素晴らしいシャンソン歌手でいらっしゃるのに
あまりお姿も声も聞きません。
今はもう無くなってしまったかつての「銀巴里」で歌っていらした
金子由香里さんを、素晴らしいシャンソン歌手として
私たちの前に紹介してくれたのは、永六輔さんでした。
まだタモリさんがメディアで駆け出しだったころです。
「詩人の魂」・「おおわが人生」・「ミラボー橋」なんかとても好きでした。
心に染みいる声と歌。
「再会」は特に好きで、繰り返し繰り返し
頭の中でリフレインするほど聴いていました。
昔愛し合った男女が、偶然出会う。
男は妻を連れている。
女は今でも独り。
きっと言葉少ない挨拶だけで別れたであろう、かつて愛し合った男を、
切ないほどに慕う女心を、せつせつと独白するように謳いあげた金子由香里さん。
自然と涙があふれたものです。
なにやら映画「追憶」を思い出すけれど、
金子さんのシャンソンを、もう一度しみじみと聞いてみたいと思う
冬の雨の夕暮れです。