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カメラ・ダイアリーです。COCOROの向くままカメラの向くまま・・・。


by hibari0929
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ライアンの娘・・・・あれこれ思いつき


この映画の主役は、アイルランドの自然だね。

美しい砂浜・海・厳しい崖・そして風と空。

荒れ狂う波の恐ろしさ・美しさ。
人間の業など、全て引きずり込んで、それでも足りないような凄まじさ。
愛欲に目覚めて翻弄されるロージーの心のありようにも見えるし、
英国との長い憎しみを伴う戦争のようでもあり、
嫉妬と憎悪が渦巻く人間の心のようでもあり、
まことにあらがうことのできない大きな力。

そして、初めての逢瀬でロージーとランドルフが結ばれる時の森の優しさ。
木々はざわめき、二本の蜘蛛の糸は寄り添い離れまた寄り添う。
まあるい綿毛は、風に運ばれ・弄ばれながら飛んでゆく。
馬は静かに水を呑みながら、くつろいでいる。

服を優しく脱がされてゆく時のロージーの胸の鼓動は
夫を裏切ることへの恐れと、もう前の自分には戻れないところへ来てしまったという後悔と
身体の奥から押し寄せる、めまいを起こしそうな官能に激しく波打っている。

ランドルフは戦争の悲惨の体現者だ。
体と精神に大きな傷を抱え、優しく温かい女の体を抱くことで
やっと自分を保っている。
女の身体は、ランドルフにとって帰るべき大地。

彼は戦地で、砲撃の凄まじさの中で怯えうずくまる。
この時すでに彼の精神は病んでいたかもしれない。
負傷して、アイルランドの僻地へ送られたことで、
貴族の世界から締め出され、妻にも冷たくあしらわれたかもしれない。

彼が射撃の名手だったことは、映画の中で証明される。


そしてチャールズを演じたロバート・ミッチャム。
タフな役どころが多い中で、今回は大人の深い愛を静かに演じた。
最後の場面、神父から
「ロージーと別れるつもりか?」と問われ、それまでの無表情な顔が、
仮面を剥がしたように変わる。一瞬だが、チャールズの深い懊悩と苦しみが顔を出す。

しかし、彼が犯罪者の役を演じた「恐怖の岬」や「狩人の夜」では
全く違う顔を見せてくれる。
相手がどこまで逃げても、粘着気質丸出しで不気味に追い詰めていく。
見てるこちらが息苦しくなるほどだ。

神父を演じたトレバー・ハワードは、「逢いびき」に出演していたし、
「第三の男」にも出ていた。
彼の役どころは、人間の倫理の規範を演ずることだったのではないだろうか?
弱い立場の人間を守り、時には人生を踏み外すことが無い様に忠告し
最後まで見守る。

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マイケルと神父のコリアン、
そして、村を去ってゆくチャールズに、親に叱られながらそっと花束を
置いて去る少女キャシーに救われた映画だったように思う。
キャシーは昔のロージーだったかもしれない。


おそまつでした。終わりです。


hibari
2013.7.2
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Commented by niko2niko at 2015-07-07 09:32
おはようございます

ライアンの娘 
題名だけは”しっかり”頭の中にありますが
解説していただいてるのに映像が浮かんできません
記憶力は良いほうなんですが・・・
今日は雨だし映画鑑賞でもしょうかな~
Commented by unjaku at 2015-07-07 17:01
pekoさん 雨ですか?
関東も昼から雨です。湿度が高いので
洗濯ものが乾きません。エアコンがフル活動です。

ライアンの娘・・昔見た時は、サラ・マイルズが
美人に見えて、夫役のロバート・ミッチャムがぶ男
に見えた物です。

今は逆ですね。
歳の離れた妻に対する愛情を、誠に深く静かに演じていました。
若い時には、分からないことがたくさんあるものですね。
by unjaku | 2015-07-02 12:31 | 映画と女優 | Comments(2)