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カメラ・ダイアリーです。COCOROの向くままカメラの向くまま・・・。


by hibari0929

スカーレット・オハラと緑色


今日は、大好きな映画「風と共に去りぬ」から、
スカーレット・オハラと緑色に関して、hibari流の勝手な考察です。
スカーレット・オハラが緑色の服を着て登場するシーンは3回ほどあります。
前半に1回。後半には2回。
そのうちの2回は特に重要な意味を、持っているように思われます。
スカーレット・オハラと緑色_c0202113_149571.jpg

これは、映画のスチール写真です。

この衣装を着て、当時のアメリカ映画界を代表する大女優が、
いったいどれほどカメラテストをうけて、さらに製作者の眼鏡にかなわなかったのか?
正確な数はわかりませんが、本命のスカーレット役が決まらないまま撮影はスタートしたのです。

アトランタ炎上シーンです。
あの時のスカーレットはスタントでした。
その撮影シーンをたまたま見に来ていた群衆の中にいたのが、
英国からローレンス・オリビエを追ってきたヴィヴィアン・リーでした。
ヴィヴィアン・リーを見つけたセルズニックは
「ここにスカーレット・オハラがいる!」と叫んだというエピソードは有名ですが、
その翌日のカメラテストを経て、ヴィヴィアン・リーはスカーレット役を射止めたのです。


前置きが長くなりました。

スカーレットの父親はアイルランド系の人物で、アイルランド気質そのままの男性でした。
南部で広大な綿花畑を所有する大農園主でもあり、当時南部は貴族文化の繁栄時代でした。
スカーレットは父親譲りの、頑固で気が短く一途で激しい気性の持ち主でもありました。

アイルランドの国の色は緑です。ポストまでも緑色というお国柄。
このことを思い出すと、スカーレット・オハラのアイデンティティは
アイルランド気質であり、彼女がいざというときに選ぶドレスの緑は
彼女の勝負服なのです。




スカーレット・オハラと緑色_c0202113_14194392.jpg

ウイルクス家の園遊会に招待されたスカーレット・オハラです。
緑を基調としたドレスの美しくチャーミングなこと。
しかし、肩を出したこのドレスが、スカーレットが南部の貴族社会から
はみ出していることを象徴的に表してもいるのです。


この時、スカーレットは幼い時から思いを寄せていたアシュレ・ウイルクスに
愛を告白して婚約してもらうつもりでした。
しかし、
想いを告白したものの、アシュレの心は従妹のメラニーにあることを知り
スカーレットは失恋に追い込まれます。
アシュレの頬を激しく平手打ちし、
そばにあった置物の花瓶を壁に放り投げたとき
同じ部屋で一部始終を聞いていたのがレット・バトラーでした。
この時から、二人のすれ違う心のドラマが始まるわけですが、
一方で、この園遊会にもたらされた知らせが、南北戦争勃発のニュースでした。
そして、この戦争と共に南部の貴族社会は一気に崩壊していくのです。

続きは明日にしましょう。


hibari
2017.8.22
Commented by artfarmandgarden at 2017-08-22 18:06
hibariさん、スカーレット・オハラと緑の記事を
書いて下さったのですね。
ありがとうございます。
彼女のカラーは、なぜグリーンなのか?
hibariさんのお話で理解できたような気がしています。
「風と共に去りぬ」の役に抜擢されたエピソードも
初めて知りました。
瞳、映画の衣装、そしてアイルランドの国の色も。
アイルランドは訪れた事はないのですが
森の中を想像しています。
Commented by unjaku at 2017-08-23 06:40
アキさん おはようございます。
今日もこれから書きますよ。

アイルランドってどんな国なのでしょうね?
またなぜ人々は、アメリカへと移民したのか?
何しろ長い小説です。

さ・・がんばりましょ!
Commented by kanafr at 2017-08-24 01:34
私もこの映画、大好きです。不朽の名画だと思います。
何度見ても飽きません。
私は、本を先に読んだんですが、その後映画を観てヴイヴイアン・リーは、まさにスカーレット・オハラそのものだと思いました。レッド・バトラーもまさにレッドバトラーでした。
原作者のマーガレット・ミッチェルは、この1作を出版しただけで、交通事故で亡くなってしまいましたが、たった1作が今でも名著として読まれているなんて、凄いですよね。
Commented by unjaku at 2017-08-24 14:15
Kanafrさん こんにちは。
パリのお天気はいかがでしょう?
日本はもう思考が停止してしまうくらいの
猛暑が復活です。

この映画、リメイクはできないでしょうね。
ヴィヴィアン・リーのスカーレット、クラーク・ゲイブルのレット・バトラーといい、これほど原作のイメージに相応しい俳優は、もうでないでしょう。それに、長編作ですから、お金も必要ですしね。
太平洋戦争を目前にしたアメリカが、こんな贅沢な映画を作っていたとは驚きです。
マーガレット・ミッチェルはレット役を、クラーク・ゲイブルをイメージしながら書いたというのですから、もう驚くしかありません。
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by unjaku | 2017-08-22 14:50 | 映画と女優 | Comments(4)