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by hibari0929
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スカーレット・オハラと緑色・・続き


「風と共に去りぬ」は、アメリカで起きた最大の内戦、「The civil war」で
奴隷を基に膨大な富を得ている南部社会の崩壊を描いている。いわば、敗者側から見た南北戦争である。

スカーレットは、貴族社会の決まり事や不文律の慣習など蹴散らすように
持ち前の気性の激しさ、時には非情、時には危機を乗り切る知恵・才覚・行動力、それらは危機に強いアイルランド・スピリッツなのか、あるいはエゴイストの本性なのか、スカーレットは持ち合わせているすべての力で南北戦争の混乱を生き抜いて行く。


いっときスカーレットは、アトランタで暮らしている。そこでまたレットバトラーと再会するわけだが、・・・南部同盟の敗北が近づく中、アトランタが陥落する直前の混乱時にメラニーの出産が始まる。街が騒然とする中を、アトランタの駅で負傷者の手当てに当たっている医師をスカーレットが探しにいく場面がある。

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見渡す限りの負傷者・死者が大地のうえに横たわっている。カメラが引くと、駅舎に掲げられた南部同盟の旗が、ぼろぼろになってはためいているのが映し出される。その向うに数え切れない犠牲者が横たわっている。
南部の豊かな農園社会の歴史が終わる時だ。
その中をスカーレットがスカートの裾を翻し、犠牲者の上を乗り越えていく。足を引っ張る人。スカートの裾にすがる人。助けを懇願する人。スカーレットは引き剥がすようにして歩く。
南部社会の女性が絶対寄り付かない場所。逞しいスカーレットは、男の影には絶対に隠れない女である。目的を貫くためには、どんな手段も使う。スカーレットは建前など全く気にかけないタイプの人間なのである。

そんな彼女が、母親エレンの「聡明さ」と「誰にでも優しい勇気と強さ」を何よりも尊敬し、かつそうなりたいという願望を持ち続けている。スカーレットの願ってかなわぬ「人格」。
その「スカーレット・オハラ」に対極する存在として、母とよく似た「メラニー・ハミルトン」がいる。なおかつ、メラニーは愛してやまない「アシュレ・ウイルクス」の妻なのだ。
故にスカーレットはメラニーに対してことごとく嫉妬する。しかし、メラニーは、スカーレットの「強さと勇気」を誰よりも愛している。二人はコインの裏表のような存在で、なおかつ義理の姉と妹という関係である。(婚姻関係がもたらした関係)。

やがて命からがら戻った故郷タラでスカーレットが見たものは、廃墟であった。
母は死に妹たちは病に侵され、頼みの父はショックで精神に異常をきたしている。

たどり着いた実家で、敗戦がもたらした混迷と飢えと家族を守るための戦いが、スカーレットに重くのしかかる。
家と土地には重税がかけられ、さすがのスカーレットも途方に暮れる。
そんな時に思い出したのが、アトランタにいるというレットバトラーだ。
レットから金を引き出す一計を考え、再びアトランタへ行く決心をした時に
スカーレットが見つけたのは、母・エレンが残した緑色のベルベットのカーテンだった。
「奥様のカーテンだ!」と反対する召使に
「これはもう私の物なのよ!」とカーテンを引きずり下ろすスカーレット。

かくして、スカーレットはレットのいるアトランタを目指す。が・・・・
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レットには、あえなく金欲しさの本心を見破られ・・・・スカーレットは
偶然出会った、アトランタで成功を収めた妹、ス・エレンの婚約者を誘惑して結婚する。
タラに課せられた税金を何とか工面するものの、妹からは憎まれて、
苦労の果てに、スカーレットは、金・かね・金の亡者になっていく。


エゴ丸出しの貴族社会の異端女性は、それでもアシュレへの思いを断ち切れずにいる。
いじらしいといえばいじらしいスカーレットの心である。


まあそんなわけでスカーレットにとって、
緑のドレスは特別な意味を持っていると思うのですが、
緑の国アイルランドはどんな国なのか?

長い間イギリスの植民地同然の扱いを受け、仕事と言えば放牧・やせた土地での農業・
わずかばかりの漁業といった具合で、長い間国民は虐げられた生活を
送らねばなりませんでした。
18世紀も近くなると、アメリカへ移民する人々が多くなり、
アメリカでは同郷のコミューンが作られ、彼らは結束して綿花作りで
富を得るようになった、といういきさつがあります。
しかし、アメリカでも一級市民として扱われるようになるのは
かなり後のことで、そういった歴史も北部との対立を深めていった
原因の一つではないかと思われます。


スカーレットのような女性が身近にいたら、好きになれますか?
しかしながら、男たちの起こした戦争の後始末をして、家族を支え、
負けることなく新しい時代を作っていったのは女性達でもあったのかと思うと
この女性像には強く惹かれるものがあるのも確かです。
「風と共に去りぬ」この不朽の名作を、どう読むか・どう見るか、
話し出すときりがありませんので、お粗末ですがこの辺で。
ありがとうございました。


hibari
2017.8.23
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Commented by Dr.K at 2017-08-23 14:29 x
私も、2年ほど前、「風と共に去りぬ」を読みました。
分厚い本で、読むのに1月半ほどかかりました(-_-;)
Commented by artfarmandgarden at 2017-08-23 16:10
「風と共に去りぬ」
ストーリーを思い出せないのですが...
テレビで放映されたのは、とても昔のことです。
グリーンのベルベットの衣装、ロビン・フッドのようです。
hibariさん、素敵な記事をありがとうござました。
Commented by unjaku at 2017-08-23 17:25
ドクターさん お久しぶりです。
お読みになりましたか!あの分厚い本。
凄い集中力ですねぇ。
やったら人の名前がたくさん出てきて、相関関係を理解するのも一苦労です。
恐れ入りました。
Commented by unjaku at 2017-08-23 17:31
アキさん、お付き合いありがとうございました。たぶんストーリーがわからない時には、消化不良を起こしそうな記事でしたね。

テレビでも何回か放映されているはずですが、何しろ長い!映画館で見ても休憩挟んで4時間ですよ!
それでも今なお、この映画が、世界中で上映されていない日はない、と言われるくらいの人気の秘密は、やはり名作と言われるゆえなのでしょうか。
Commented by kitaoni at 2017-08-24 16:25
私もたしか高校生の時に読みました。
映画ではスカーレットの魅力に心惹かれスカーレット贔屓で観てメラニーの魅力がよく理解出来なかったのですが原作を読んでメラニーという女性の聖母のような魅力に心惹かれてスカーレットが鼻についてきたのを思い出しました。
ひょっとしたら中学生の頃だったかも?遥か昔の少女の頃の記憶です。
Commented by unjaku at 2017-08-24 20:53
こんばんは。
kitainiさんも文学少女でいらしたのでしょうか?

メラニーとスカーレットは、お互いにひかれあう磁石のような関係ですね。
お互いに自分が持っことのなかった性格にひかれあう。メラニーは素直に認めることができる懐の深さを持っているのですが、スカーレットにはそれができない。

二人合わせて二つに割れば理想なのでしょうが、それでは物語は成立しない。
その辺が妙というものなのでしょうか。
by unjaku | 2017-08-23 11:38 | 映画と女優 | Comments(6)