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カメラ・ダイアリーです。COCOROの向くままカメラの向くまま・・・。


by hibari0929
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カテゴリ:本を読もう( 5 )



いやいや面白い本でした。
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バッタ博士、前野ウルド浩太郎著。
ファーブルを敬愛してやまない若き昆虫学者である。

表紙の強烈な緑の衣装は、バッタに食べられたいがための衣装。
裏表紙には、
「ホントはバッタに食われにアフリカへ」とあり、さらに
「その者 緑の衣を纏いて砂の大地に降り立つべし・・・・」
何処かで聞いたパクリの文が並ぶ。

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著者の前野ウルド浩太郎氏。いい男だねぇ。
ウルドと言うミドルネームは、研究活動に赴いたモーリタニアで
彼の熱意を称賛して現地の研究所所長から贈られたもの。
「・・・の子」という意味があるそうだ。
民族衣装は、彼の片腕になる運転手・アシスタント・何でも屋のティジャニ氏から贈られたもの。

アフリカでは、バッタの大量発生により収穫が大きな被害にさらされ、
深刻な食糧不足に悩まされている。
前野青年は、現地でのフィールドワークによって、バッタの生態を研究して
なんとかバッタの被害を根絶したいとの思いで単身モーリタニアに向かう。

そのモーリタニアで、思いもよらぬ事態に悪戦苦闘しながら、
バッタを追い求める前野青年の苦闘が、思わず笑いを誘わないでおかない文章で紹介される。

「前野はサムライだ!」と現地の研究者に称賛されながら
無収入の恐怖やらノミ・サソリ・などに悩まされながら
ひたすらバッタを追い求める若き昆虫学者の熱意に圧倒される。

緑の衣装は、バッタの大群に遭遇した時
「さぁ思い切り食べてくれ!」と彼が用意した衣装である。
バッタLOVEの若き日本男児はかっこいい!!


hibari
2017.12.7
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by unjaku | 2017-12-07 18:15 | 本を読もう | Comments(0)

エッセイ2冊 ご紹介


退屈なリハビリ期間、
ずいぶんと本を読みました。
その中でも、とりわけ印象が強く残ったエッセイを2冊ご紹介。
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ポルトガル物語  漁師町の春夏秋冬

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アルファローバーの木の下で ポルトガルの笑う犬

作者は青目海さん。
青目さんは、ご主人の仕事の関係で、
様々な国で生活をなさった経験を持つ女性です。

この2冊は20年を暮らした南ポルトガルの漁師町で出会った犬たち、
現地の人々、そして様々な事情でこの町へやってきて後に友人となった
外国の人々とのエピソードが、生き生きと描かれています。

最初の数年は、漁師町の人々になかなか受け入れてもらえずに
孤独の中で暮らす日々。
そんな暮らしの中で、街の中でうろうろと暮らす犬たちが、まず最初の友人になり
青目さんの後をついて歩ったそうです。
その光景を見て現地の人が大笑いしたというエピソードや
外国からやってきて友人となる人々の個性あふれる暮らしっぷり。
なかなかなじめなかった漁師町の人々は、頑固で融通がきかないけれど
正直で義理と人情に厚くて、
外国人には慣れていない人々だったというようなエピソードも紹介されています。

この本と青目さんのブログに出会うまで、ポルトガルの国がどんな国なのか
ほとんど考えたこともありませんでした。
知っていたのは、織田信長の時代の種子島伝来。そしてキリスト教の伝来。
そのくらいだけだったような気がします。

個性豊かな登場人物の自由な暮らしや考え方に、
無意識の規範の中での、自分のどこか窮屈が暮らしが比較されて
かなり強い刺激を受けました。


そして自由でいながら友好的な犬の生活。
紫の花の咲く街路樹の花が、道路を埋め尽くすように散る季節。
その花の上を犬が転げまわって遊ぶ光景など、
まるで自分が見てきたことのように瞼に浮かぶのでした。

青目さんは、ポルトガルでの生活に幕を下ろし、
現在日本に帰国しておられます。
興味のある方は、ぜひ青目さんのブログをご覧くださいませ。



青目さんのブログ
ポルトガル便り~ヨーロッパ偏見(ひんがら)日記


hibari
2017.7.17
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by unjaku | 2017-07-17 20:08 | 本を読もう | Comments(2)

雨の日には物語を


いとにくきもの
薔薇の花のやっと咲きたるに
朝から雨の止むことなく降り続いて
美しき花びらが悲しげにうちしおれて
下を向いてしまうもの

許せるのは
降り始めたときに
玉の光となってつぼみをいろどるときなど
きよげにながめらるる折りもあり
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こんな薄暗い日はものがたりなど読みちらし
憧れの人のことなど思い出しながら
あれこれと過ぎた日々を思い出すのはいとおかし。
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中宮様のお手紙は何度読んでも素敵
まして定子さまのみやびやかで晴れやかな明るいお部屋へ
おつとめするのはいとたのしきことなり。




なぁんて、清少納言になったつもりで書き散らしてみました。
彼女は鼻持ちならぬ女性だと紫式部は言っていますが
実は時の公達らと何度も文のやり取りをして、
それはそれはもてた女性だったようです。
ハンサムで機知に富んで振る舞いはダンディ。
中宮定子の訓練の賜物でもあるのですが
中宮のおそば近くで控えながら、最も頼りにされていた女房だったとか。

決まり事など次々と破って、新しくモダンで軽やかなサロンを作り上げたのが
定子だったのですが、当然のごとく若い公達たちは押し寄せ、その応対に追われていたのが
清少納言をはじめとするキャリアウーマン達だったわけです。
今でいう自立した女性達です。

こんなに面白い小説はめったにないというのが私の感ずるところです。



hibari
2017.5.13
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by unjaku | 2017-05-13 16:41 | 本を読もう | Comments(0)

我らがパラダイス


久々に、笑ったり・悲観的になったり・怒ったり・スリルにはらはら、
という様々な感情に浸りながら読んだ本です。
タイトル「我らがパラダイス」、作者 林真理子。
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毎日新聞に連載されているときから大きな反響を呼んで、
早くも映画化の話が出ているそうです。


テーマは親の介護。
単行本の帯には「介護では、優しい人間がまけるのだ」という少しばかり
衝撃的なキャッチコピーが書かれています。

主な主人公は、邦子・さつき・朝子という三人の女性。
三人ともそれぞれ親の介護をしながら働く女性です。
家族間の、或いは親子の介護現場における、様々な葛藤が描かれていきます。
さらに、三人の女性が働く場所は、入所に何千万とかかる超高級介護施設。
邦子は受付。さつきは施設内のウエイトレス・朝子は看護師と
それぞれ分野が違うのですが、
自分の親の介護と超高級介護施設における手厚い介護の落差に、
割り切れぬ思いを抱いているのが共通で、
その格差への憤懣から、三人の女性がやったことは何だったのか?!
犯罪一歩手前のスリルに、心がわしづかみにされます。
ここに敵役のマネージャー福田氏が絡んで、
最後のクライマックスに突入していきます。


さて、老人たちの選択したパラダイスとは何だったのか?

すでに社会問題化している、認知症の親・連れ合いを抱えて自宅で奮闘している家族は
次々と疲弊して、最悪の場合は悲惨な事件が報じられたりしているのは、周知のとおりです。
介護制度も崩壊寸前で、国はこの問題をどうしようとしているのか?

待機児童の解消の問題には、未来がかかっているせいもあって、
国も自治体も必死に取り組んでいるようですが、
将来のない介護の現場は、まるで忘れ去られたように
格差の問題が取り上げられることもありません。



さりとて
高齢の親を抱える身にとっては他人事でなく、
認知症を発症した親とどう暮らすのか?面倒を見ていけばいいのか、
笑った後の爽快感とは裏腹に暗澹とした思いが残るのでした。


hibari
2017.4.18
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by unjaku | 2017-04-18 20:19 | 本を読もう | Comments(8)

おかしな勘違いの話


そんなにもあなたはレモンを待ってゐた
かなしく白いあかるい死の床で
私の手からとった1つのレモンを
あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ
トパアズいろの香気が立つ
・・・・・・・・

智恵子抄「レモン哀歌」より

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トパアズいろは、はちみついろ。
橡の実のはちみつはこがねいろ
こがねいろにかがやく宝石のしぶきのいろ。




そのしぶきは
まひるの光のつぶてのように
光太郎に降りそそいだのだろうか。

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智恵子没 1938年10月5日52歳






ところで・・・・
頭の中に出来上がったイメージというのは
なかなか頑固なもの。

トパアズいろははちみついろ・・・・が、私の場合は
長い間トルコ石の色だった。

つまりはブルーだった。

これは私にとって大いなる謎で、
レモンをかじると、どうしてブルーの「香気がたつ」のか?
高村光太郎にはそうかんじられたのだろう・・・と
ずっと思い込んでいたのだから、おかしな話・とんでもない勘違いではある。


今でも「智恵子抄」のレモン哀歌を読むと
長い間のとんでもない勘違いに、自分ながら可笑しくなるのであります。


hibari
2017.1.14



hibari
2017.1.14
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by unjaku | 2017-01-14 12:06 | 本を読もう | Comments(2)