空よ!
と呼びかけたくなるような銀杏の空。
「空よりも広いもの
それは、人間の心」
とユゴーは言った。
朝の青い空を
夕暮れ時の暖かな空を
星たちをかしずかせる夜の空を眺めながら
さまざまな想いにふける。
思い出せば恥ずかしくなるような
失敗だらけの月日。
自分でもよくやったなぁ・・・・・と思う激闘の日々。
笑いさざめくような明るい声の飛び交う日々。
情熱に追い立てられるように生きた日々。
あとどれくらいそんな日が許されているのだろう。
もうしばらく前になるけれど
イタリアのローマにたどり着いた旅の最後の数日。
年老いた夫婦がお互いをいたわるように
寄り添って歩いていた光景を鮮明に思い出す。
どうしてもカメラを向けられない光景だった。
空よ!
あの日のローマの空も青かった。
hibari
2014.3.22